初めての出会い
松谷さんと最初に会ったのは2003年の年末か、2004年の年始辺りだったと思います。
会社設立をして、丁度ジャケット制作やホームページ関連の仕事が増えてきた為、カメラマンを探していました。
知り合いから「人を撮るのが抜群にうまいカメラマンがいる」という話を聞いて、映像編集中だった六本木のスタジオにわざわざ来て頂きました。
目力が強くて、良く通る声をしていました。
顔合わせは編集スタジオのロビーを使ったのですが、声がすごく反響していたことを覚えています。
そして、カメラマンとして一番印象的だったのは、写真に愛を感じたことでした。
表紙が鉄で作られたブックを取り出し、これまで撮影した写真の背景を、1枚1枚丁寧に説明してくれました。
見せる順番や配置も考えた上で、写真が一番映える形でブックを拝見させて頂きました。
きれいな写真、美しい写真は沢山見たことがありますが、強いインパクトを与えてくれる写真には、中々出会えません。
それぞれの写真から非常に高い「熱量」を感じました。
ブックの中に女性誌で宮沢りえさんを撮影した写真がありました。
時間や制約の多い中、渋谷の高級ホテルのスイートで撮影することになったそうです。
無事撮影は終わり、後日編集部を通して宮沢さんの事務所に写真のチェックをお願いすると戻って来たコンタクトシートの一枚に「♡みんなスキー りえ」と書いてあったそうです。
カメラマン冥利に尽きるエピソードだと思いました。
そして、その事を本当にうれしそうに語る松谷さんの笑顔がとても印象的でした。
つづく